添削に来校された
編集者の皆さんからMessage

月刊マガジン

株式会社 講談社
「月刊少年マガジン」編集部

副編集長
須藤 崇史さん

たくさんインプットを重ね、
感性を磨き続けることが大切。

●今の職業に就くまでの流れを教えてください

本当は考古学者になりたかったんです。会社で働きたくなくて…(笑)。でも学者の道はなかなか厳しくて、就職活動をせざるを得なくなったときに、やりたいと思える仕事が編集者しかなかったというのが本音ですね。高校生のころから小説や漫画はよく読んでいました。漫画も小説も無くても特に人生には困らないものだけれど、思い返せば大事なことはいつも漫画や小説から教わってきたなあ、と思ったからです。ちなみに考古学者を目指した理由も、とある漫画がキッカケでしたね(笑)。

●添削会ではどのようなアドバイスをされていますか?

その人の一番の武器を見つけて、褒めるようにしています。キャラだったり、セリフまわしだったり、世界観だったり、表情だったり…。自分の良いところって、意外と自分で気づけないものなんですよね。まずはそれに気づいてもらって、今後何を伸ばしていけば個性が出せるのか、アドバイスをしています。あとは、読んでいてわからないところは細かく聞きます。ちゃんと他人に読ませるために描いているかどうか確認をするためです。

●これからの漫画業界の可能性は?

「MANGA」が日本を代表するコンテンツ産業であることは間違いないと思います。以前に比べて、日本以外で日本の漫画がますます読まれていくことでしょう。全世界の読者に向けて作品が届いていくような環境もどんどん整っています。すごく夢のある話だと思いませんか?一方で、今は誰でも作品を発表できて、インスタントに消費されてしまう文化も生まれているのも事実です。だからこそ、自分にしか描けないものは何なのか、常に追い求めている人が生き残っていくのかなと思います。

●漫画家、編集者、出版社の仕事の魅力は?

「新しいものを世に産み出せること」に尽きるのではないでしょうか。苦労して作った作品が多くの人に評価され、売れたときの喜びは何ものにも代えがたいですね。

●漫画の道に進むべきか、迷っている高校生へ

少しでも迷っているならやってみるべきです。まずは描いてみるべきです。思うようにいかないこともあるかもしれません。でも、そこで少しでも楽しい気持ちが生まれたり、逆にできなくて悔しかったりするようなことがあれば、続ければ良いと思います。大事なのは描き続けること。やめるのなんていつでもできますよ。

●漫画業界で活躍するために、今からやるべきことは?

たくさんインプットをして、感性を磨いて欲しいです。自分はどんなものが好きなのか。何に感動し、どこに面白さを感じたのか。そしてそれはなぜなのか。見たり聞いたりしたものに対して、その面白さを自分なりに分析して言語化できると強いです。あとは、他人の感想・批評を受け止められる耐性を作っておくこと。編集者のダメだしに耐えられないようだと、読者のもっと厳しい目にさらされたときに心が折れてしまいますからね(笑)。

●大阪総合デザイン専門学校の漫画コースについての印象は?

先生方の目がすごく行き届いているなという印象でした。編集者が新人に対して行うような、描き手の武器を発見したり、その魅力を伸ばす指導をきちんとされていると思います。デビュー後もプロとしてちゃんと活躍できている卒業生が多いのも、その証拠なのかなと感じます。

●大阪総合デザイン専門学校の漫画コース在校生の印象は?

精鋭集団。特に2年生はみなさん一定の画力があり、いわゆる「漫画力」を身につけている学生さんが多いですね。個性もさまざまで、ちゃんと自分の描きたい漫画のビジョンがあると感じます。また、新入生の1年間での伸びも著しく、毎年の出張編集部では、学生さんたちの成長を見るのも楽しみのひとつです!

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