ア レター フロム ティーチャー
HIME+YOU先生

矢田先生の創作の原点を教えてください。

フリーのイラストレーターとして活動を始めて2,3年経った頃、それまで雑誌の挿絵や広告などで本当にいろんな絵を描いてきたなか、「自分自身が本当に描きたいものは?自分自身のテーマってなんだろう?」と考えるようになって。ちょうどそんな時、いろんな人に「食べ物の絵が一番いい!」と言われて。考えてみれば、三重県の半農半漁の家で育った私にとって、食材はいつも新鮮で、常に美味しいものに触れていた。当然、私自身もすごく食いしん坊だったので、何を描くにしても、味覚を意識して描いていたなと気づいたんです。それから、自然と「食べ物」がイラストレーターとして描くテーマとなり、また私自身のライフワークになっていきました。

作業の様子


作品を描くときは、どんな点に一番こだわっていますか?

私自身がイラストを描く上で一番こだわっているのは、見る人に「美味しさ」を感じてもらえる表現です。たとえば空を描いたり田んぼの風景を描いたりするとき、美味しそうな空や風景を描きたいと思っています。Tシャツを描くにしてもメロン味のTシャツとか、そういう捉え方で描くんですよね。描く対象が食べ物でなくても、絵を見て美味しそうだなと思える感覚は、幸せな気持ちにつながっているんだと思います。だから私は、人や風景画のなかにも「味覚」を感じてもらえるよう、懸命に気持ちを込めて描いています。

作業の様子


これからOSCDで学ぶ人たちに、メッセージをお願いします。

これからブランド創造学科で学ぶみなさんに伝えていきたいのは、さまざまなお菓子や料理の描き方や見せ方のテクニックだけでなく、その背景にあるパティシエや料理人などのモノづくりをしている職人さんや、さらにもっと根源にあるお米や野菜、くだものを製造している農家の人たちなど、作り手の想いや情熱までも表現することの大切さです。私自身が執筆したはじめての著作『やさしいごはん』で表現したかったのも、そうした日本で働く農家の人々に対する尊敬の気持ちです。農家の人々の労働によってつくられたお米や野菜などへの感謝の気持ちとともに、後世にこの文化が残りますようにとの願いを込めて、イラストだけでなく、レシピやエッセイなども交えて自分が伝えたい思いを表現しました。ブランド創造学科では、製菓のパッケージやエディトリアルデザインなど、さまざまな表現の技術や手法を学ぶことができるので、みなさんもいろんなスタイルで「美味しさ」の表現を追求し、そうした人たちの素晴らしさを世の中に伝えていく人になってほしいと思います。

矢田先生の手掛けた本



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