OS.We

第22回同窓会

1000人の卒業生たちとの思い出

人生に関わる喜び

教育に携わって、既に21年過ぎてしまった。若い人達に出会って人生の行く末に関わった。彼等は子どもの様に愛しい存在である。
彼等は或る意味、日本の教育制度の犠牲者に思え、人の評価基準の狭い中で充分に才能を見出せ無いで青春を過ごしてきた欲求不満の塊りであった。

教育者に対する不信は根強く、挑戦的な眼差しと自信の無い面差しは彼等特有の野性の表情を持っている。彼等の中に潜んでいる輝く宝石のような才能を見出す悦びは格別であった。入学当時は教師に対する態度も挑戦的で、素直さの欠片もなく、彼らは教師を困らせるのを楽しんでいると感じさせていた。

彼らと過していくうちに、優しい眼差しに成りより良い信頼を築けて行くと表情も野生みが無くなり、野良猫が優しい丸い目に成るように心を開けてくれる。
そして、作品に向かい本気で取り組み始めるとしめたもので人生を賭けて学び始める。卒業し就職して結婚し、子どもを儲け仕事で活躍している姿は喜びそのものである。

私自身は建築家であるので物を完成させる喜びは、多く体験しているが人が自らの道を開き自信に満ちた生きる姿を見れるのは最高の喜びである。

インテリア学科学生 作品制作風景 作品

バルセロナでの研修旅行

彼らと過した時間は私にとって貴重な時間であった。彼らの驚きを目にし、感動している姿を見ると沢山の苦労も吹き飛んでしまう。
バルセロナに海外研修旅行に連れて行った時はそんなことを毎回感じていた。

ガウディのサグラダ・ファミリアに出くわした時、彼らの感嘆の声を聞くたびに連れて来て良かったといつも思っていた。

バルセロナの交流も学生にとって良い経験をさせたと、考えている。同じ課題をして、発表して評価をし合うのは異文化を知る良い切っ掛けになったと思っている。
15年間の関係は学校としても良い結果を残したと考えている。
両校の良い処を各校の学生達が見出し、次の年には良い影響として作品に反映されているのを見出すことができた。

現在は研修旅行が出来なくなったが、互いに作品を見せる交流は続けている。いつか、いけなかった学生もバルセロナは訪れてほしい。

サグラダファミリア サグラダファミリア2

心のDNA

私には1000人の子どもたちがいると思っている。自分自身のDNAを引き継ぐ存在はいないが、心のDNAを渡した学生達は子どもと同じ存在である。

卒業生たちの結婚式に招待され祝辞を述べさせてもらう機会が多くあるが、その度に彼らに心のDNAの話をする。私の生きる信条を、伝えてきたと思っている。
デザイナーとして、創造者として人の心をいつも念頭において物を作る人であれ、自然体で生きろ、後悔ををするな、等である。
彼等の人生が順調であるよう、心より祈っている。

私は建築家としての仕事よりは学生達と関わったこの20年間が掛替えの無い時で大切であった思っている。そして最高に幸せだったと思っている。
この幸せな時を与えて下さった私の周りの方々にそして1000人の卒業生たちに感謝している。

(2016年2月18日掲載)

インテリアデザイン学科クラス
ユニバーサルスタジオ
メールマガジンご登録のお願い。同窓会のお知らせはメールマガジンを用いたお知らせへと移行いたしました。未登録の方は是非ご登録をお願いいたします。 詳しくはoscd-doso.comへ!